Intrude/1 ―― おうごんのたそがれ(1)




 それは金色の黄昏時だ。
 もう思い出せないほどありふれた談笑がとぎれ、わずかな沈黙が落ちる。
 その静寂にそっと波紋を広げるように、彼の声が響いた。

「このまま時が、止まればいいのに」

 斜陽の光が、色素の薄い白金の髪を、その姿を縁取っている。
 話しかけているとも、独り言ともとれる夢見がかった調子で、エルフィスは続けた。

「このまま、何も変わらず、こんな日々だけ繰り返せば…」

 そう、その日はとても楽しい日だったのだから。
 けれど自分は、さぞかし怪訝そうな顔をしていたと思う。苦笑いをして、私は―





忘れえぬ白

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